東日本大震災の発生時にも,分娩はありました.分娩は待ってはくれない救急疾患です.自治体や妊婦さんは,救護所や避難所でも分娩が起こりうることを念頭に置いて備えておく必要があります.また,妊婦は災害弱者であることを知っておく必要があります.日本産科婦人科学会の産科ガイドライン2014では,一次トリアージにおいて妊婦は第二優先順位(黄タッグ),破水,性器出血,腹痛,胎児死亡のいずれかを示した場合は第一優先順位(赤タッグ)とするとしています.災害時には周囲に妊娠している方がいないかどうか,すぐに確認する必要があります.