被災した地方自治体では,庁舎や多くの幹部職員の被災により,被害の把握や被害状況の報告・発信などが行えない状況が多く発生しました.例えば,庁舎については,13の市町村で本庁舎の全面移転が必要な被害を受け,他の15の市町村でも一部移転が必要となりました.県庁でも本庁舎に入れなくなった例がありました.
耐震性がある庁舎であっても,周辺が立入禁止になったり,電力や通信の復旧のめどが立たなければ,その庁舎での業務は事実上できなくなりますので,どの地方自治体でも,小さくてもよいので代替拠点を決めておくべきです.また,幹部職員の代理と不在時の権限移譲についても事前に定めておく必要があります.