被災地に一度出した警報のレベルを後から引き上げようとしても,停電等で住民に伝わらず,最初の情報で避難の度合いが決まってしまうことになる.したがって,最初の警報は,最大限の被害を想定させるものとする必要がある.

 被災地に対して津波警報の第1報で発表した地震の規模や津波の高さの予想は,データの制約などもあり,実際の地震の規模や津波の高さを大きく下回ったものでした.その後,予想津波高は段階的に引き上げられましたが,地震による停電等により,津波警報の続報や津波の観測情報が被災地の住民等に十分には伝わらなかったことが被害を大きくしたとの指摘があります.
 この指摘を受けて,気象庁は,警報の出し方を見直しました.地震の発生直後,即時に決定した地震の規模が過小であると判定した場合には,その海域における最大級の津波を想定して, 大津波警報や津波警報を発表し,これにより,津波の高さを小さく予想することを防ぐこととしました.この改善の適切な運用が望まれます.

作成日(撮影日):
2015/04/07 
登録者:
丸谷浩明 
フェーズ:
緊急 
対象:
国 自治体 学会 
カテゴリ:
災害情報 
場所:
気象庁 被災市町村 
関連する学術論文・資料等
  • 中央防災会議「防災対策推進検討会議中間報告」p.13、2012 http://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/suishinkaigi/pdf/chukan_hontai.pdf
  • 気象庁「津波警報の改善について」http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/kaizen/index.html
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