東日本大震災により東京では鉄道が止まり,大量の帰宅困難者が発生し,相当数が徒歩で帰宅した.しかし,発生が懸念される首都直下地震では,帰宅困難者の徒歩帰宅は危険を伴い,救助や支援活動の支障にもなるため,3日間程度は都心にとどまる必要がある.

東日本大震災による東京での震度は,最大5強で建物や公共施設の被害は限定的でしたが,鉄道は点検や軽微な補修のため深夜から翌日まで止まりました.また,首都高速道路が全面通行止めになったことも加わり,激しい交通渋滞のためバスやタクシーもほとんど機能せず,大量の帰宅困難者が発生しました.帰宅を待つ家族のもとに向かう必要もあり,相当数が徒歩で帰宅しました.しかし,近い将来発生が懸念される首都直下地震では,沿道の建物の倒壊,火災などにより発災直後の帰宅困難者の徒歩帰宅は危険を伴います.また,郊外部からの救助や支援活動のための道路交通の支障にもなるため,東京都は条例を制定し,3日間程度は都心にとどまることを求め,企業,組織に対して備蓄を求めています.

作成日(撮影日):
2015/04/07 
登録者:
丸谷浩明 
フェーズ:
事前 応急 
対象:
住民 自治体 
カテゴリ:
帰宅困難 
場所:
都心部 
関連する学術論文・資料等
  • 丸谷浩明「帰宅困難者の帰宅抑制に協力する企業の懸念に関する考察」、PRI Review 第47号 、pp.76-95、国土交通政策研究所、2013
  • 「東京都帰宅困難者対策条例」 http://www.bousai.metro.tokyo.jp/kitaku_portal/1000050/1000536.html
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