地域の仮設住宅建設需要,場所の確保,建設資材のサプライチェーンなど,被災前からなるべく具体的な復興時の状況を想定し,国・県・市町村との連携の中で対策を練っておくとよい.

東日本大震災被災地の仮設住宅建設では,いくつかの課題があげられた.まず,大きな課題は建設戸数の見積もりと建設用地の確保である.東日本大震災では,地震とともに巨大な津波により広範囲にわたる甚大な被害がもたらされ,膨大な量の応急仮設住宅が必要となった.また岩手県と宮城県北部では三方を山で囲まれた地形を持つ地域が多かったために,用地の確保という問題が顕著であった.各自治体では被災地外での建設や農地の活用などを行うことで対応したが,被災者の意向との調整などに時間がかかり,遅れが見られた.
また資材確保の問題も深刻であった.一部地域では,応急仮設住宅建設に必要な資材や道具を取り扱う工場や事業者自体が被災してしまい,さらに重機や消耗品等が津波により流出し,必要資材が供給されないという問題が生じた.輸入建材の活用や被害の少なかった自治体から協力を得るなどして対応したが,資材の運搬や輸入資材事業者との調整などに多くの時間を費やすなどの問題が生じた.

作成日(撮影日):
2015/04/07 
登録者:
村尾修 
フェーズ:
事前 復旧・復興 
対象:
国 自治体 
カテゴリ:
仮設住宅 
場所:
 
関連する学術論文・資料等
  • Murao, O.: Chapter 7 "Regional Comparison of Temporary Housing Construction Processes after the 2011 Great East Japan Earthquake and Tsunami," Tohoku Recovery: Challenges, Potentials and Future, **-**, Springer, 2014.*(印刷中)
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