震災後に国内外から被災地へ多くのボランティアや義捐金が集まりました.その盛り上がりが一過性であったことについて,被災地支援の立場から問題視するような声もあります.しかし脳科学的見地からは,被災者への共感に基づいた愛他行動が一過性であることは,極めて自然なことです.被災地外からの被災地ボランティア支援について長期的に考える場合,支援者の被災者への共感に依存しない戦略,例えば支援者の自己関与・自己実現といった動因を視野に入れるべきかもしれません.