原発事故による長期避難が余儀なくされる双葉郡富岡町民であるが,避難者がまとまって入居する全ての仮設住宅で「仮設住宅自治会」が結成されている.自治会立ち上げには役場職員や富岡町行政区(町内会・自治会に相当するもの)の役員らが中心となって,規約や役員選出を行った.自治会長も区長や役員経験者になることが多く,その理由は「行政区時代の人をまとめる,問題解決のためのノウハウ」がある程度,有効であったからである.このように新しいコミュニティが形成されるなかで,過去にリーダーを経験した人をまとめ役に据えると混乱が少なくまとまっていくといえよう.