原発事故時には浮遊した放射性物質によりレントゲン写真(デジタルX線写真)に黒点が生じる場合がある.だが,それは人体への影響は無視できることを知っておくことが重要.

東日本大震災時,特に福島県内の病院において,原発事故に伴う放射性降下物が誘因しているデジタルX線写真上(胸部,腹部等の単純X線写真)に生じた黒点が問題となっており,医療被曝への懸念を助長する一因ともなっている.黒点発生へ寄与しているのは,デジタル受像系カセッテ内部に入り込んだ放射性物質であること(人体内部からのものではないこと),そして原発事故当初はヨウ素の寄与が大きかったことなどについて,明らかにした.カセッテ内部に入り込んだ放射性セシウムを,井戸型NaI(Tl)シンチレーション検出器で分析した結果,それによる人体影響は無視出来ることが分かった.

作成日(撮影日):
2015/04/07 
登録者:
千田浩一 
フェーズ:
緊急 応急 
対象:
医療機関 
カテゴリ:
被曝 放射能拡散 
場所:
 
関連する学術論文・資料等
  • 樫村康弘、千田浩一ほか:放射線降下物によりComputed Radiography (CR)画像に写し出された黒点の基礎的検討.[臨床放射線,58(3),(2013),484-489]
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