東日本大震災時,特に福島県内の病院において,原発事故に伴う放射性降下物が誘因しているデジタルX線写真上(胸部,腹部等の単純X線写真)に生じた黒点が問題となっており,医療被曝への懸念を助長する一因ともなっている.黒点発生へ寄与しているのは,デジタル受像系カセッテ内部に入り込んだ放射性物質であること(人体内部からのものではないこと),そして原発事故当初はヨウ素の寄与が大きかったことなどについて,明らかにした.カセッテ内部に入り込んだ放射性セシウムを,井戸型NaI(Tl)シンチレーション検出器で分析した結果,それによる人体影響は無視出来ることが分かった.