閉じる
災害後のメンタルヘルスに関するエビデンスの集積が必要である.
災害後のメンタルヘルス支援体制のあり方についてはエビデンスが不足している部分が多く,今後より情報の蓄積を行い,エビデンスに基づく支援体制を確立することが望ましい.
作成日(撮影日):
2015/04/07
登録者:
富田博秋
フェーズ:
事前 応急
対象:
国 自治体 医療機関
カテゴリ:
こころのケア
場所:
関連する学術論文・資料等
平成25年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業(精神障害分野))被災地における精神障害等の情報把握と介入効果の検証及び介入手法の向上に資する研究報告書
富田博秋、根本晴美:第6章 災害時の精神医療と精神保健.東日本大震災を分析する.明石書店 pp82-91, 2013、
登録者の他の教訓(コンテンツ)
LL0133
災害対策本部は,発災後,可能な限り速やかに被災地域の医療保健福祉機関の被災状況を確認し,入院・入所者の搬送や医療介護支援の必要性,緊急性を把握し,救援の方針を立てることが必要である.
LL0134
平常より医療行政および一般の医療保健に関わる者と精神保健行政および精神保健に関わる者との連携を密に行い,災害への備えを行う必要がある.
LL0135
災害発生時に,災害対応のため,自治体,医療機関などに職員にスクランブルをかける方針の中に,まず職員本人の安全の確保を行った上で行うべきである.
LL0136
被災地域の自治体職員,被災地域や人為的災害の原因となった事故現場での救援や復旧・復興に従事する者のこころの健康も含む健康にはより一層の配慮を要する.
LL0137
災害後のメンタルヘルス支援は長期に渡る.
LL0139
災害後の被災地域での調査の統制を行うことが望ましい.
LL0165
災害によるコミュニティへの被災が深刻であるほど,ソーシャル・キャピタル(Social capital,社会関係資本)は,精神的健康に影響を与える
LL0166
疾患を抱える家族への配慮や,サポートするシステムの構築は、被災地域で身体疾患罹患者の女性配偶者が,精神的苦痛を抱えるリスクの軽減につながる
LL0167
復興期に安心できる環境で被災した子どもが,災害の映像を見たり,災害を思い出す機会を持つことは,心的外傷後成長 (Posttraumatic growth)の促進につながる.
LL0168
高齢者はテレビの地震速報から危険を察知し,適切な避難行動をとることが困難であったため,高齢者の認知に合わせ,映像や図を用いる,時間をかけて説明するなど,報道の仕方を工夫するべきである.
LL0169
災害復興期における居住環境に関する見通しを早くすることで,精神的健康に及ぼす影響を軽減できる
LL0170
被災地域で慢性疾患に罹患している人は精神的苦痛の程度が高ため,慢性疾患を抱える集団の災害後中長期における精神保健上の配慮が必要である.
LL0171
災害対策において精神医療・保健と医療・保健は共に重要な課題と位置づけられ,また,相互に緊密に連携をする必要がある.