災害後,被災地で災害や健康に関する調査と称して,多数の問診票が配布・回収された.これらの中には被災地域の自治体や被災地域の復旧・復興や被災者の健康増進に携わる機関,および,これらの機関と密に連携を行っている機関が,その活動を推進するため,倫理面にも適正な配慮を行った上で,行ったものが含まれる一方,これらの機関のあずかり知らないところで,その結果が何に活かされたのか不明瞭で,いたずらに被災住民に負担を与えた結果となり,また,適切な倫理的な配慮がなされたのか懸念のある問診票の配布・回収がなされる事例が少なからずみられた.各領域でこのような安易な調査を行わないよう啓発・教育を徹底していくとともに,被災地域の自治体等とも連携して,被災地での調査を統制する体制を検討することが望ましい.