東日本大震災は,今までにない広域的な災害で,また,原電事故が発生したことから,広域避難が大規模に必要となりました.しかし,日本にはそのための制度がなく,受入れ時期が遅れ,避難者への支援にも時間を要しました.そこで,政府は,平成 24 年の災害対策基本法の改正で, 市町村長は同一都道府県内の他の市町村長に広域避難の協議できること,協議を受けた市町村長は,正当な理由がない限り被災住民を受け入れなければならないこと,他の都道府県への広域避難が必要なときは,都道府県知事に他の都道府県の知事との協議を求められることなどの規定が設けられました.今後の大規模災害では,行政には,この制度の活用も含め,広域避難を円滑に進めるよう,災害発生直後から努力する必要があります.