東日本大震災では,多くの高齢者や障害者,妊産婦,乳幼児等が被災し,少人数で過ごせ,手厚い支援を行える福祉避難所が必要となりました.福祉避難所は,阪神・淡路大震災の教訓でも指摘され,必要性は認識されていたのですが,取り組みは地域でバラつきがあり,全体として十分な成果が得られないまま東日本大震災が発生し,満足な対応には程遠い状況となってしまいました.このため,政府は福祉避難所の確保・運営のガイドラインを策定するなどの対応を行いました.今後の大災害に備え,行政が指定を進めるとともに,災害発生後に,地域の福祉関係者やボランティアとも連携して,早期に開設できるよう努めるべきと考えられます.