東北大学が行った東日本大震災に関する企業や行政へのヒアリングによれば,津波被災地域の復興まちづくりの計画が住宅と公共・公益施設の再建が中心的な課題となる中で,企業の復旧への考慮も必要であることが分かりました.企業の復旧・復興は,建築制限がかけられたまま,数年もかかる土地の造成の完成を待つのは基本的に厳しいのです.行政が地元の産業の復興に必要なスピードを理解し,地権者の合意形成や事業手法の工夫に努力すれば,企業はより早い事業再開の機会を得られますので,よりよい制度の設計と運用に努力を行うべきです.