津波土砂移動に伴う地形変化がもたらす津波の高さ・範囲・スピードの拡大を考慮し,解析することが必要である.

従来の津波解析は波高や流速を再現・予測する流体解析です.しかしながら,東日本大震災の被害実態から,津波による浸水被害のみならず,土砂移動に伴う地形変化を考慮して解析しないと被害の実態を評価できないことがわかってきました.岩手県陸前高田市を対象とした数値シミュレーションでは,堤防の機能を有した高田松原の砂丘が津波により大きく削られたため,市街地に侵入する津波が勢いを増していたことがわかりました.こうした海岸砂丘を有する地域では,津波ハザードを推定する場合に注意が必要であると考えられます.

作成日(撮影日):
2016/12/05 
登録者:
山下 啓 
フェーズ:
事前 
対象:
国 自治体 研究機関 
カテゴリ:
ハザード評価 津波予測 
場所:
沿岸 
関連する学術論文・資料等
  • 山下 啓・菅原大助・高橋智幸・今村文彦・齋藤友一・今任嘉幸・甲斐 恭・上原 均・加藤季広・中田一人・坂良太郎・西川朝雄:岩手県陸前高田市における2011年東北地方太平洋沖地震津波による大規模土砂移動の再現計算,土木学会論文集B2(海岸工学),I_499-I_504,2015. Yamashita, K., Sugawara, D., Takahashi, T., Imamura, F., Saito, Y., Imato, Y., Kai, T., Uehara, H., Kato, T., Nakata, K., Saka, R. & Nishikawa, A., Numerical simulations of large-scale sediment transport due to The 2011 Tohoku Earthquake Tsunami in Hirota Bay, Southern Sanriku Coast, Coast. Eng. J., 58(4), 1640015, 2016. (in press).