2011年に発生した東日本大震災では,津波だけでなく地震による振動被害も多く生じました.例えば,丘陵地の大規模造成宅地の崩壊,軟弱地盤での杭や上部構造の損傷,地盤-建物連成系の共振応答による被害,盆地内の長周期長時間地震動による免震デバイスの損傷などがあげられます.これらの被害により,単に建築物の上部構造だけでなく入力地震動の相違が被害に大きく影響すること,地震動と建物双方の振動特性の関係が重要であることが再確認されました.