被災地域で慢性疾患に罹患している人は精神的苦痛の程度が高ため,慢性疾患を抱える集団の災害後中長期における精神保健上の配慮が必要である.

被災地域の健康調査を元にした本研究により,心血管系,肝臓,腎臓の疾患,悪性腫瘍,糖尿病などの慢性疾患に罹患している人は精神的苦痛の程度が有意に高く,この相関は家屋の被災の程度に寄らないことが示されました.災害直後の救援において,視覚,聴覚,身体障碍者等が特別に配慮の必要のある集団として考えられている等のことはこれまでにコンセンサス形成がなされていました.しかし,本研究では,さらに慢性疾患を抱える集団の災害後中長期における精神保健上の配慮の必要性を示しています.

作成日(撮影日):
2016/12/05 
登録者:
富田博秋 
フェーズ:
事前 復旧・復興 
対象:
住民 
カテゴリ:
健康問題 こころのケア 
場所:
地域 
関連する学術論文・資料等
  • Nakaya N, Nakamura T, Tsuchiya N, Tsuji I, Hozawa A, Tomita H. The Association Between Medical Treatment of Physical Diseases and Psychological Distress After the Great East Japan Earthquake: The Shichigahama Health Promotion Project. Disaster Med Public Health Prep. 2015 Aug;9(4):374-81. doi: 10.1017/dmp.2015.52.
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