東日本大震災の発生から5年が経過した時点で,東松島市の中学生や高校生を対象にした調査では,東日本大震災の発生当時の出来事やその後の復興過程の出来事について,地元の出来事ですらあまり知られていない現状や,むしろ被災地外で東日本大震災のことを学習した子どもの方が知っていることが多い現状が明らかになりました.これは,心情への配慮して防災教育が行われてきたことや,復旧や再建を行う当事者でなかったことなどがその背景にあると考えられています.地域における災害の記憶を継承していく上では,被災した当時の子ども世代とともに被災や復興の過程の共有を意識的に取り組む必要があります.